2024年11月22日、中国の李強首相が主催する国務院常務会議において「危険化学品安全法(案)」が審議され、可決されました。さらに、この法案は中国の最高立法機関である全国人民代表大会常務委員会(NPCSC)に提出することも決定されました。今回の動きにより、「危険化学品安全法」の立法プロセスは重要な一歩を踏み出しました。
当局にとって、危険化学品の安全管理は、大規模かつ重大な事故の防止と被害軽減を図る上で最優先の課題です。今回の会議では、危険化学品の製造、保管、使用、運搬、輸送といったライフサイクル全般にわたる安全管理の強化が求められ、重大事故の発生を防ぐ必要性が改めて強調されました。さらに、業界従事者の専門スキル向上、大規模な設備更新の推進、老朽化した化学設備の廃止および改修を加速させることの重要性も議論されました。
中国では、全国人民代表大会およびその常務委員会による法律制定手続きは、提案、審議、投票、公布の4つの段階で構成されています。この草案は現在、審議段階にあります。一般的に、NPCSCに提出された草案は、常務委員会の3回の会議で審議されます。審議段階では、草案は専門委員会または専門家グループに送られ、審査が行われるほか、専門家の意見や提案を取り入れてさらに修正が加えられる場合があります。審議段階が完了し、すべての関係者の間で意見が一致し、さらなる研究が必要な重要な問題が存在しなくなった場合、草案は投票段階に進みます。過半数が草案を支持すれば、この法律は公布が承認され、全国的に施行されます。
この法律は、「危険化学品管理条例(国務院令第591号)」を発展させたものであり、中国で初めて化学品の管理を専門とする法律として期待されています。厳格な立法手続きが必要なため、すぐに施行されるわけではありませんが、近い将来、確実な進展が見込まれています。
立法進展のタイムライン
2017年末:2015年の天津爆発事故を受けて、最初の草案が公表されました。
2019年6月:中国政府の機構改革および2019年の塩城化学工場爆発事故を契機に、立法が加速しました。
2020年10月:中国応急管理部(MEM)は、第3版の草案を公表し、一般から意見を募集しました。
2021年2月:草案の一部規則に修正が加えられ、このバージョンがMEMの常務会議で審議に提出されました。
2022年5月:MEMは「第14次五カ年計画(危険化学品安全生産)」で、2025年までに危険化学品に関連する重大リスクを予防・軽減するための制度、仕組み、法的枠組みを改善する方針を発表しました。
2023年9月:NPCSCは5年間の立法計画を発表し、現行任期(第14期、2028年終了)中に危険化学品安全法を制定することを目指すとしました。
2024年5月:NPCSCは2024年の立法計画において、草案が初回審議を受ける予定であると発表しました。
2024年11月:国務院常務会議が草案を審議し、NPCSCに提出することを決定しました。
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REACH24Hコンサルティンググループ
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