航空分野における持続可能な燃料の使用目標

2022年08月31日、カリフォルニア州議会はAB1322（R. Rivas）を可決しました。この法案は、商業航空が気候変動に与える影響を軽減するために、持続可能な航空燃料（SAF）やその他のジェット燃料の代替品の使用を促進するインセンティブベースの計画を策定するようカリフォルニア大気資源局に要求するものです。

具体的には、カリフォルニア大気資源局（CARB）に対し、電気や水素の技術を模索しながら、SAFのインフラと使用量を増やすための手段を特定し、SAFの生産能力を拡大する計画を策定するよう求めるものとなります。

概要

本法案は、航空分野における持続可能な燃料の使用目標を、2030年までに20％以上とするものです。また、本法案は、CARB に対し、2024年07月までに計画の実施を開始することを、予算計上を前提に義務付けます。

計画策定にあたり、CARBはSAFによる温室効果ガス排出削減量の定量化、SAF生産目標達成のための障害の特定、目標達成のためのマイルストーン設定、SAFインセンティブが他の再生可能燃料インセンティブと少なくとも同等であることの確認、関連インフラの構築を含むSAF供給と需要拡大のための手段の特定を行います。

見込み

国際航空運送協会とエアラインズ・フォー・アメリカは、業界全体の排出量削減目標を達成するための最も効果的な方法は、SAFの使用であると判断しています。SAFは、温室効果ガスを最大80％削減できるほか、硫黄酸化物をほぼ100％、粒子状物質を約50％削減することができます。

しかし、SAFの利点にもかかわらず、いくつかの理由により、SAFは十分に活用されていません。電化に加えて、地上燃料生産者は、SAFと同様の環境上の利点があるため、再生可能ディーゼルを生産するインセンティブが強くなっています。

SAFを生産するインセンティブも存在するが、生産量を増やすにはまだ不十分であり、地上用燃料の炭素強度を下げるインセンティブと比較しても不十分です。

その結果、オンロード燃料の生産は拡大しているが、SAFの生産は遅れをとっています。これらの障壁を取り除くことは、航空部門の野心的な気候目標を達成するために十分なSAFを生産するために不可欠であると、この法案の支持者は述べています。

参考

■　AB-1322 California Global Warming Solutions Act of 2006: aviation greenhouse gas emissions reduction plan.(2021-2022)/カリフォルニア州議会

出典－GreenCarCongress