解説EU-公共調達指令

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法令の情報時期:2026年01月 統合版 ページ作成時期:2026年06月

目的

目的

本指令は、特定の公益部門における調達の効率性を高め、公平な競争環境を整備することを目的としている。

■ 水、エネルギー、輸送、郵便サービスの各部門で活動する調達主体による契約および設計コンテストに関する手続規則を確立する。

■ 経済事業者に対して、平等な扱い、非差別、透明性、および比例性の原則を保証する。

■ 調達の設計において、競争を不当に制限したり、特定の経済事業者を不当に有利または不利に扱ったりすることを防止する。

■ 公共契約の履行において、経済事業者が環境法、社会法、労働法の義務を遵守することを確実にする。

概要

概要

本指令は、公共性の高い特定のインフラ部門における調達プロセスを欧州連合(EU)全体で共通化するための法的枠組みである。

■ 背景:従来の調達規則を現代化し、電子調達の推進や中小企業の参画容易化、社会的・環境的側面の考慮を強化する必要性から策定されたものである。

■ 適用範囲:水、ガス・熱、電気、輸送サービス、港湾・空港、郵便サービス、石油・ガスの抽出、石炭・固体燃料の探査・抽出の各活動に関連する調達が対象となる。

■ 適用対象の事業体:国の機関や地方自治体などの「調達当局」、それらが支配的な影響力を持つ「公的企業」、および加盟国の権限に基づく「特別専売権または排他的権利」の下で活動する民間事業体が該当する。

■ 主な要件:一定の閾値以上の推定価値を持つ契約について、本指令で定められた手続(公開手続、制限付手続、交渉付手続のいずれかを選択)に従うことが求められる。事業者については、環境・社会・労働法の遵守、技術仕様への適合、下請負における情報の透明化、契約期間中の変更に関する厳格な制限等の要件が課されている。

■ 施行時期:加盟国は2016年4月18日までに本指令を遵守するために必要な国内法を施行する義務を負ったものである。なお、参照しているテキストは2026年1月1日時点の修正を反映したものである。

適用除外(対象外・猶予・免除等)

適用除外

法令全体の適用から除外される主な対象は以下の通り。

 ■ 転売または第三者へのリース目的:調達主体が当該物品の販売・リースについて特別・排他的権利を持たず、他者も同条件で自由に販売・リースできる場合。

■ EU域外での活動:EU域内のネットワークや地理的区域を物理的に使用しない、第三国での活動を目的とする調達。

■ 一般の国際規則に基づく調達:国際協定や国際機関の特定の規則に従って行わなければならない調達。

■ 防衛および安全保障に関連する契約:防衛・安全保障調達指令(2009/81/EC)の範囲に含まれる契約や、加盟国の重大な安全保障上の利益の保護が必要な場合、または機密保持が必要とされる契約。

■ 防衛・安全保障要素を含む混合契約:防衛・安全保障に関する要素が含まれ、一括して契約することが客観的に正当化される場合、一定の条件下で本指令の適用が除外される。

■ 国際規則に基づく防衛・安全保障調達:国際協定や軍隊の駐留に関する合意に基づき、本指令とは異なる手続に従う義務がある契約。

■ 特定のサービス契約:土地・建物の取得・賃借、特定の法律サービス、金融サービス、雇用契約、鉄道・地下鉄による公共旅客輸送サービスなど。

■ 水・エネルギーの直接購入:飲料水の供給、またはエネルギーやエネルギー生産用燃料の供給に従事する事業体自身が自らの提供する水やエネルギーを購入するために与える契約。

■ 競争に直接さらされている活動:当該活動が直接、アクセス制限のない市場での競争にさらされていることが証明された特定の活動。

事業者が注意すべき内容

本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。
ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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事業者がEU域内の調達主体と取引を行う、または入札に参加する際に注意すべき要件は以下の通り。

 ■ 社会的義務の遵守:契約履行において、経済事業者は環境、社会、および労働法に関する適用可能な義務を遵守しなければならない(第36条第2項)。

■ 機密保持:経済事業者が機密として指定した情報は、原則として調達主体によって開示されないが、調達主体も情報の機密保護を経済事業者に課すことができる(第39条)。

入札・参加手続に関する要件

■ 電子通信の使用:原則として、入札書の提出を含むすべての情報のやり取りは電子的な手段で行われなければならない(第40条第1項)。

■ 技術仕様の遵守:提供される工事、サービス、物品は、技術仕様を満たさなければならず、経済事業者は自らの提案が同等の性能を満たすことを証明する必要がある(第60条)。

■ ラベルと証明書:業務や供給物、サービスに特定の環境・社会的特徴を求められる場合、特定のラベルや適合性評価機関の証明書を証拠として提供する必要がある(第61条、第62条)。

選定と資格に関する要件

■ 他企業の能力への依存:財務的能力や技術的能力について他社の能力に依拠できるが、実際にその主体が業務を遂行することの証明や連帯責任を求められる場合がある(第79条)。

■ 異常に低い入札価格:入札価格が異常に低いと判断された場合、その価格設定の根拠について詳細な説明を求められ、説明が不十分な場合は入札が却下される(第84条)。

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契約履行および変更に関する要件

■ 下請負:調達主体は、下請負の範囲や下請業者の情報の通知を求めることができる(第88条)。

■ 契約の変更:契約期間中の変更は厳しく制限されており、当初の契約に明確な変更条項がある場合や、予期せぬ事態による変更、軽微な変更などに限られる(第89条)。

将来的に事業者に影響を及ぼすと思われる内容

 ■ 閾値の定期改定:欧州委員会は2年ごとに調達の閾値を検証し、改定するため、適用対象となる案件の範囲が変動する可能性がある(第17条)。

■ 技術標準の義務化:将来の技術発展に伴い、特定の技術標準(電子カタログや電子認証の特定形式など)の使用が義務付けられる可能性がある(第40条第7項)。

注目定義

■ 「集約調達活動」(centralised purchasing activities)

以下のいずれかの形態で恒常的に実施される活動。 (a) 契約主体向けの物資および/またはサービスの調達、 (b) 契約主体向けの工事、物品、またはサービスに関する契約の締結、または基本合意の締結。

■ 「付随的な調達活動」(ancillary purchasing activities)

特に以下の形態で調達活動を支援する活動のこと。 (a) 契約主体が公共契約を締結したり、工事、物品、サービスに関する枠組み協定を締結したりすることを可能にする技術インフラ。 (b) 調達手続きの実施または設計に関する助言。 (c))当該契約主体に代わって、当該主体の費用負担で調達手続きの準備および管理を行うこと。

■ 「中央調達組織」(central purchasing body)

本指令第4条(1)の意味における契約主体、または指令2014/24/EU第2条(1)第1項の意味における契約当局であって、集約調達活動および場合によっては付随的な調達活動を行う者。

■ 「調達サービス提供者」(procurement service provide)

市場において付随的な調達活動を提供する公的機関または民間機関

目次

※各条項のタイトルは内容に基づき当社で仮設定

第1編:範囲、定義および一般原則

 第1章:主題および定義

  第1条:主題および範囲

  第2条:定義

  第3条:調達当局

  第4条:調達主体

  第5条:同一活動を対象とする混合調達

  第6条:複数活動を対象とする調達

 第2章:活動

  第7条:共通規定

  第8条:ガスおよび熱

  第9条:電気

  第10条:水

  第11条:輸送サービス

  第12条:港湾および空港

  第13条:郵便サービス

  第14条:石油・ガスの抽出および石炭・その他固体燃料の探査・抽出

 第3章:実体的範囲

 第1節:閾値

  第15条:閾値額

  第16条:調達の推定価値の算定方法

  第17条:閾値の改定

 第2節:適用除外される契約および設計コンテスト;防衛および安全保障の側面を伴う調達に関する特別規定

  第1款:すべての調達主体に適用される除外および水・エネルギー部門の特別除外

  第18条:第三者への再販またはリースを目的として授与される契約

  第19条:対象活動以外の目的、または第三国での活動のために授与・組織される契約および設計コンテスト

  第20条:国際規則に従って授与・組織される契約および設計コンテスト

  第21条:サービス契約に関する特定の除外

  第22条:排他的権利に基づいて授与されるサービス契約

  第23条:特定の調達主体による水の購入およびエネルギー供給のための契約

  第2款:防衛および安全保障の側面を伴う調達

  第24条:防衛および安全保障

  第25条:同一活動を対象とし防衛または安全保障の側面を伴う混合調達

  第26条:複数活動を対象とし防衛または安全保障の側面を伴う調達

  第27条:国際規則に従って授与・組織される防衛または安全保障の側面を伴う契約および設計コンテスト

  第3款:特別な関係(協力、関連企業および合弁事業)

  第28条:調達当局間の契約

  第29条:関連企業に授与される契約

  第30条:合弁事業またはその構成主体に授与される契約

  第31条:情報の通知

  第4款:特定の状況

  第32条:研究開発サービス

  第33条:特別な取り決めの対象となる契約

  第5款:競争に直接さらされている活動およびそれに関する手続規定

  第34条:競争に直接さらされている活動

  第35条:第34条が適用可能か判断するための手続

 第4章:一般原則

  第36条:調達の原則

  第37条:経済事業者

  第38条:留保契約

  第39条:機密保持

  第40条:通信に適用される規則

  第41条:命名法

  第42条:利益相反

第2編:契約に適用される規則

 第1章:手続

  第43条:GPAおよびその他の国際協定に関する条件

  第44条:手続の選択

  第45条:公開手続

  第46条:制限付手続

  第47条:事前公示を伴う交渉付手続

  第48条:競争的対話

  第49条:イノベーション・パートナーシップ

  第50条:事前公示を伴わない交渉付手続の使用

 第2章:電子および集約調達のための技術および手段

  第51条:枠組み合意

  第52条:ダイナミック購買システム

  第53条:電子オークション

  第54条:電子カタログ

  第55条:集約調達活動および中央調達組織

  第56条:臨時的な共同調達

  第57条:異なる加盟国の調達主体が関与する調達

 

第3章:手続の実施

  第1節:準備

  第58条:事前の市場協議

  第59条:候補者または入札者の事前の関与

  第60条:技術仕様

  第61条:ラベル

  第62条:試験報告書、認証およびその他の証明手段

  第63条:技術仕様の伝達

  第64条:バリアント(代替提案)

  第65条:契約のロット分割

  第66条:期限の設定

  第2節:公示および透明性

  第67条:定期的事前公示

  第68条:資格審査システムの存在に関する公示

  第69条:契約公示

  第70条:契約落札公示

  第71条:公示の形式および方法

  第72条:国内レベルでの公示

  第73条:調達書類の電子的利用可能性

  第74条:候補者への招待

  第75条:資格申請者、候補者および入札者への情報提供

  第3節:参加者の選択および契約の授与

  第76条:一般原則

  第1款:資格審査および質的選定

  第77条:資格審査システム

  第78条:質的選定の基準

  第79条:他の企業の能力への依存

  第80条:指令2014/24/EUに規定される除外事由および選定基準の使用

  第81条:品質保証規格および環境管理規格

  第2款:契約の授与

  第82条:契約授与基準

  第83条:ライフサイクルコスト計算

  第84条:異常に低い入札価格

  第4節:第三国を原産とする製品を含む入札および当該諸国との関係

  第85条:第三国原産製品を含む入札

  第86条:工事、供給およびサービス契約に関する第三国との関係

 第4章:契約の履行

  第87条:契約履行の条件

  第88条:下請負

  第89条:期間中の契約変更

  第90条:契約の解除

第3編:特定の調達体制

 第1章:社会およびその他の特定のサービス

  第91条:社会およびその他の特定サービスの契約授与

  第92条:公示の掲載

  第93条:契約授与の原則

  第94条:特定サービスのための留保契約

 第2章:設計コンテストを規定する規則

  第95条:範囲

  第96条:公示

  第97条:設計コンテストの組織、参加者の選定および審査員に関する規則

  第98条:審査員の決定

第4編:ガバナンス

  第99条:執行

  第100条:契約授与手続に関する個別報告

  第101条:国内報告および統計情報

  第102条:行政協力

第5編:委任された権限、実施権限および最終規定

  第103条:委任権限の行使

  第104条:緊急手続

  第105条:委員会手続き

  第106条:国内法化および経過規定

  第107条:廃止

  第108条:見直し

  第109条:発効

  第110条:宛先

附属書 I:第2条第2号(a)に規定される活動のリスト
附属書 II:第4条第3項に言及される連合の法的文書のリスト
附属書 III:第34条第3項に言及される連合の法的文書のリスト
附属書 IV:第35条に言及される実施行為の採択期限
附属書 V:入札書、参加申請書、資格申請書、ならびにコンテストにおける計画およびプロジェクトの電子的受理のためのツールおよび装置に関する要件
附属書 VI パートA:定期的事前公示に含まれるべき情報(第67条参照)
附属書 VI パートB:競争を呼びかける手段として使用されないバイヤープロファイル上の定期的事前公示の掲載に関する公示に含まれるべき情報(第67条第1項参照)
附属書 VII:電子オークションに関する調達書類に含まれるべき情報(第53条第4項)
附属書 VIII:特定の技術仕様の定義
附属書 IX:公示に関する特徴
附属書 X:資格審査システムの存在に関する公示に含まれるべき情報(第44条第4項(b)および第68条参照)
附属書 XI:契約公示に含まれるべき情報(第69条参照)
附属書 XII:契約落札公示に含まれるべき情報(第70条参照)
附属書 XIII:第74条に規定される入札への招待、対話への参加、交渉、または関心の確認の内容
附属書 XIV:第36条第2項に言及される国際的な社会および環境条約のリスト
附属書 XV:第83条第3項に言及される連合の法的文書のリスト
附属書 XVI:契約期間中の変更に関する公示に含まれるべき情報(第89条第1項参照)
附属書 XVII:第91条に言及されるサービス
附属書 XVIII:社会およびその他の特定サービスの契約に関する公示に含まれるべき情報(第92条参照)
附属書 XIX:設計コンテストの公示に含まれるべき情報(第96条第1項参照)
附属書 XX:設計コンテストの結果の公示に含まれるべき情報(第96条第1項参照)
附属書 XXI:相関表

基礎情報

法令(現地語)

Directive 2014/25/EU of the European Parliament and of the Council of 26 February 2014 on procurement by entities operating in the water, energy, transport and postal services sectors and repealing Directive 2004/17/EC 

法令(日本語)

水・エネルギー・輸送・郵便サービス部門で活動する事業体による調達に関する2014年2月26日付欧州議会および理事会指令2014/25/EU(指令 2004/17/EC を廃止)

公布日

2014年3月28日

作成者

株式会社先読

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