| 法令の情報時期:2019年07月 統合版 | ページ作成時期:2026年06月 |
目的
本指令は、職場における年少者の保護を目的として以下の事項を定めている。
■ 子供の就労を原則として禁止する。
■ 若年者の就労が、本指令に定める条件下で厳格に規制・保護されることを確実にする。
■ 雇用主が、年少者の年齢に適した作業条件を保証することを確実にする。
■ 経済的搾取、ならびに安全、健康、心身・道徳的・社会的発達を損なう恐れのある作業や、教育を妨げる作業から年少者を保護する。
概要
本指令は、EU労働安全衛生枠組み指令(89/391/EEC)の第16条第1項に基づく個別指令と位置付けられている。
■ 背景と問題意識:年少者は経験の不足、リスク意識の欠如、あるいは心身が未成熟であることから、特定の職業上のリスクに対して特に脆弱である。そのため、就労の原則禁止や厳格な保護要件の整備が必要とされた。
■ 適用範囲:加盟国の法律で定義・管理される雇用契約または雇用関係にある18歳未満のすべての者に適用される。
■ 期待される効果:年少者の健康と安全を高い水準で保護し、教育の機会を保障しつつ、将来の労働力としての健全な発達を促す。
■ 施行時期:加盟国は1996年6月22日までに、本指令を遵守するために必要な国内法等を施行した。
適用除外(対象外・猶予・免除等)
加盟国は、以下の条件や制限の範囲内において、不定期または短期間の以下の作業については、本指令を適用しないとする規定を設けることができる。
■ 一般家庭における家事サービス
■ 家族経営企業における作業:年少者にとって有害、損傷を与える、または危険ではないとみなされる作業。
事業者が注意すべき内容
| 本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。 ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 |
雇用主(事業者)が遵守すべき要件を、条項に基づき整理する。
一般的義務とリスク評価
■ 安全・健康保護措置の実施:雇用主は、年少者に特有のリスクを考慮し、安全および健康を保護するために必要な措置を講じなければならない(第6条第1項)。
■ 作業開始前の評価:年少者が作業を開始する前、および作業条件に重大な変更があった場合には、必ずハザード評価を行わなければならない(第6条第2項)。
■ 評価の重点項目:職場の配置、物理的、生物学的、化学的要因へのばく露の性質・程度・期間、設備の選択と取り扱い、作業プロセスの編成、および訓練レベルに細心の注意を払う必要がある(第6条第2項)。
■ 健康監視の提供:評価によりリスクが認められた場合、適切な間隔で無料の健康監視および診断を提供しなければならない。これらは国内の健康システムの一部として実施することも可能である(第6条第2項)。
■ 情報の提供義務:年少者に対し、考えられるリスクおよび講じられたすべての保護措置を通知しなければならない。子供の場合は、その法定代理人に対しても同様の通知を行う義務がある(第6条第3項)。
■ 専門組織の関与:年少者に適用される安全衛生条件の計画、実施、監視において、保護・予防サービス(専門組織)を関与させなければならない(第6条第4項)。
就労の禁止(脆弱性への配慮)
■ 能力を超える作業等の禁止:客観的に見て年少者の物理的・心理的能力を超える作業、毒性・発がん性・遺伝性損傷等を引き起こす要因への有害なばく露、放射線への有害なばく露、経験不足等により回避困難な事故リスクを伴う作業、極端な寒冷・高温・騒音・振動を伴う作業に従事させてはならない(第7条第1項、第2項)。
■ 附属書の遵守:附属書IおよびIIに例示的なリストとして挙げられた要因(特定の化学物質、鉛、アスベスト等)、工程(爆発物の製造等)、および作業を、年少者に特有のリスクとして認識し、遵守しなければならない(第7条第2項、附属書)。
労働時間・休憩・休息
■ 労働時間の上限:若年者は原則として1日8時間、週40時間を上限とする。子供については、教育形態に応じ1日2〜8時間、週12〜40時間という、さらに厳格な上限を守らなければならない(第8条第1項、第2項)。
■ 夜間労働の禁止:子供は午後8時から午前6時、若年者は原則として午後10時(または11時)から午前6時(または7時)の間の就労が禁止される。例外的に認められる分野でも、午前0時から午前4時の間は一律に禁止される(第9条第1項、第2項)。
■ 休息期間の確保:24時間ごとに、子供は14時間以上、若年者は12時間以上の連続休息を確保する。また、7日ごとに原則として日曜日を含む2日の休息を確保しなければならない(第10条第1項、第2項)。
■ 例外規定:客観的な理由がある場合に若年者を対象として、休息に関する第10条規定の逸脱が認められるが、適切な代休が与えられる場合に限られ、なおかつ特定の分野・活動に従事する場合に限定されている(第10条第4項)
■ 休憩の付与:1日の労働時間が4.5時間を超える場合、少なくとも30分の休憩を与えなければならない(第12条)。
■ 不可抗力時の特例:成人の労働者が利用できず、一時的かつ直ちに実施が必要な緊急作業の場合に限り、若年者には一部の制限(労働時間、夜間労働、休息等)を適用外にできるが、3週間以内に代休を与えなければならない(第13条)。
将来的に事業者へ影響を及ぼすと思われる内容
■ 技術的進歩に伴う附属書の修正:欧州委員会は、技術的進歩や新しい知見に基づき、附属書のリスト(有害要因等)を修正する権限を持つ。これにより、将来的に事業者が評価すべき要因や禁止される作業の範囲が変更・拡大される可能性がある(第15条)。
■ 国内法化を通じた影響:本指令に基づき各国が導入する国内法において、より厳しい基準が設定されたり、定期的な実施報告(第17a条)に基づき規制が強化されたりすることで、事業者の義務が増大する可能性がある。
注目定義
■ 「年少者」(young person)
| 第2条第1項に言及される(加盟国で施行されている法律によって定義される、あるいは当該法律の適用を受ける雇用契約または雇用関係を有する)18歳未満のすべての者。 |
■ 「子供」(child)
| 15歳未満、または国内法で全日制義務教育の対象である年少者。 |
■ 「若年者」(adolescent)
| 15歳以上18歳未満で、国内法による全日制義務教育の対象ではない年少者。 |
■ 「軽作業」(light work)
| その作業の性質および実施条件により、以下のすべての作業を意味する。 (i) 子供の安全、健康、発達に害を及ぼす可能性は低く、 (ii) 学校への出席、管轄当局が承認した職業指導または訓練プログラムへの参加、または受けた指導から利益を得る能力に悪影響を与えるようなものではないこと。 |
目次
第I節
第1条:目的
第2条:適用範囲
第3条:定義
第II節
第4条:子供の就労禁止
第5条:文化的または類似の活動
第III節
第6条:雇用主の一般的義務
第7条:年少者の脆弱性 - 作業の禁止
第IV節
第8条:労働時間
第9条:夜間労働
第10条:休息期間
第11条:年間休息
第12条:休憩
第13条:不可抗力の場合の若年者の就労
第V節
第14条:措置
第15条:附属書の修正
第15a条:委任権限の行使
第16条:既存の保護水準の維持条項
第17条:最終規定
第17a条:実施報告
第18条:宛先
附属書 要因、工程および作業の例示的リスト
基礎情報
| 法令(現地語) |
COUNCIL DIRECTIVE 94/33/EC of 22 June 1994 on the protection of young people at work |
| 法令(日本語) | 職場における若年者の保護に関する1994年6月22日付理事会指令94/33/EC |
| 公布日 | 1994年8月20日 |
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