解説EU-デュアルユース品目管理規則

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法令の情報時期:2025年11月 統合版 ページ作成時期:2026年06月

目的

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本規則は、大量破壊兵器の拡散防止・武器禁輸の遵守・人権保護といった安全保障上の目標を実現するため、民事・軍事双方に利用しうる軍民両用品目(デュアルユース品目)の輸出、仲介、技術支援、通過および移転をEU全域で統一的に管理・規制することを目的とする。

概要

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本規則は規則(EC)No 428/2009を廃止・改正するものであり、安全保障上のリスクの変化や新興技術への対応を目的として、輸出管理制度の包括的な強化を図っている。また、オーストラリア・グループ、ミサイル技術管理レジーム(MTCR)、核供給国グループ(NSG)、ワッセナー・アレンジメント、化学兵器条約等の国際的な枠組みと整合している。

管理対象品目
■ 附属書Iには、国際的な合意に基づく管理対象品目が列挙されており、核物質・設備、電子機器、コンピュータ、通信・情報セキュリティ、センサー・レーザー、航法・航空電子機器、航空宇宙・推進システム等が含まれる。附属書Iの一覧は定期的に改正される。

許可の種類
■ 以下の5種類の許可がEU関税領域全域で有効となる。

  1. EU一般輸出許可:特定の仕向国(日本、米国、英国、オーストラリア等)向けに、一定の条件のもとで利用可能。
  2. 国内一般輸出許可:既存のEU一般輸出許可と整合する範囲で加盟国が発行。
  3. 個別輸出許可:特定の輸出者が特定の最終需要者向けに輸出する場合に、国内当局が最長2年間付与。
  4. 包括輸出許可:複数の品目・仕向国・最終需要者を対象として付与。
  5. 大規模プロジェクト許可:特定の大規模プロジェクトを目的として付与される個別または包括輸出許可。

■ 輸出者の義務
・許可申請にあたり、最終需要者・仕向国・最終用途に関する完全な情報を当局に提供すること。
・輸出に係る詳細な記録(送り状・輸送書類等)を5年間保管すること。

適用除外(対象外・猶予・免除等)

適用除外

なし

事業者が注意すべき内容

本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。
ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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附属書Iに掲げる軍民両用品目を輸出する場合は、許可が必要となる。また、附属書Iに記載されていない特定の軍民両用品目について、第4条、第5条、第9条または第10条に基づき、すべての仕向地または特定の仕向地への輸出についても、許可が必要となる場合がある。(第3条)

輸出者は、附属書I未掲載品目であっても、当該物品の全部または一部が、下記の目的のために使用される、または使用されるおそれがあると、所管当局から通知を受けた場合、輸出許可を得なければならない。

  • (a) 化学・生物・核兵器その他の核爆発装置の開発・製造・取扱い・運用・保守・貯蔵・探知・識別・拡散、またはこれらの兵器を運搬可能なミサイルの開発・製造・保守・貯蔵に使用されるおそれがある場合。
  • (b) 購入国または仕向国が武器禁輸の対象となっている場合において、軍事用途(加盟国の軍需品リストに掲載された軍需品への組込み、軍需品の開発・製造・保守のための生産・試験・分析機器等の使用、または軍需品製造施設における未完成品の使用)に供されるおそれがある場合。
  • (c) 加盟国の国内軍需品リストに掲載された軍需品の部品または構成要素として使用されるおそれがあり、かつ当該軍需品が許可なくまたは国内法令に定める許可に違反して加盟国の領域から輸出されたものである場合。(詳しくは第4条参照)
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輸出者は、附属書Iに記載されていないサイバー監視品目が、国内弾圧や重大な人権侵害に使用されるおそれがあると所管当局から通知を受けた場合は、輸出許可を得なければならない。(詳しくは第5条参照)

仲介業者は、仲介サービスを提供しようとする軍民両用品目の全部または一部が、第4条第1項に規定する用途のいずれかに供されることを認識している場合、サービスを提供する前に所管当局に通知し、許可の要否を確認しなければならない。(詳しくは第6条参照)

技術支援提供者は、軍民両用品目に関する技術支援を提供する前に、第4条第1項に規定する用途のいずれかに供されることを認識している場合、所管当局に通知し、許可の要否を確認しなければならない。(詳しくは第8条参照)

附属書IVに掲げる品目をEU加盟国間で移転する場合は、許可が必要となる。また、移転に係る商業文書にはEU関税領域外への輸出管理対象品目である旨を明記しなければならない。(詳しくは第11条参照)

輸出者は、個別・包括輸出許可の申請にあたり、最終需要者・仕向国・最終用途に関する完全な情報を所管当局に提供しなければならない。包括輸出許可を使用する輸出者は、所管当局が不要と判断した場合を除き、ICPを導入しなければならない。(詳しくは第12条参照)

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仲介業者および技術支援提供者は、許可申請にあたり、本規則に基づく認可申請に必要なすべての関連情報を所管当局に提供しなければならない。特に、軍民両用品目の所在地に関する詳細、当該物品の明確な説明およびその数量、取引に関与する第三者、仕向国、当該国の最終需要者およびその正確な所在地を記載しなければならない。(詳しくは第13条参照)

輸出者は、輸出申告の際、必要な輸出許可を取得していることを税関に証明しなければならない。また、提出される文書について、輸出申告が行われる加盟国の公用語への翻訳文の提出が求められる場合がある。(詳しくは第21条参照)

輸出者は、輸出に係る詳細な記録を最短5年間保管しなければならない。仲介業者および技術支援提供者も、仲介・技術支援に係る記録を最短5年間保管しなければならない。また、EU域内移転に係る記録は最短3年間保管しなければならない。(詳しくは第27条参照)

輸出管理措置が適切に適用されているかどうかを確認するため、所管当局は、輸出者、仲介業者、技術支援の提供者ら輸出取引に関与する者らの施設に立ち入り、調査する権限を持つ場合がある。(詳しくは第28条参照)

注目定義

<対象者>

■ 「輸出者」(exporter)

「輸出者」とは、輸出申告または再輸出申告の受理時点において、仕向国の荷受人との契約を保有し、EU関税領域外への品目の送付を決定する権限を有する自然人・法人または組合をいう。

■ 「仲介業者」(broker)

「仲介業者」とは、EU関税領域内から第三国の領域に向けて仲介サービスを提供する自然人・法人または組合をいう。

■ 「技術支援提供者」(provider of technical assistance)

「技術支援提供者」とは、EU関税領域内から第三国の領域に向けて技術支援を提供する自然人・法人もしくは組合、加盟国に居住または設立された者であって第三国の領域内で技術支援を提供する者、または加盟国に居住または設立された者であってEU関税領域内に一時滞在する第三国居住者に対して技術支援を提供する者をいう。

<対象製品>

■ 「軍民両用品目/デュアルユース品目」(dual-use items)

「軍民両用品目」とは、民生用および軍事用の双方に使用可能な品目(ソフトウェアおよび技術を含む)であって、核・化学・生物兵器またはその運搬手段の設計・開発・製造・使用に供し得る品目を含むものをいう。

■ 「輸出」(export)

「輸出」とは、EU関税領域外への輸出手続・再輸出・加工貿易手続、またはソフトウェアもしくは技術の電子的手段(ファックス・電話・電子メール等を含む)によるEU関税領域外への送信もしくは提供をいう。

■ 「仲介サービス」(brokering services)

「仲介サービス」とは、第三国から他の第三国への軍民両用品目の購入・販売・供給に係る取引の交渉もしくは手配、または第三国に所在する軍民両用品目の他の第三国への移転のための売買をいう。

■ 「技術支援」(technical assistance)

「技術支援」とは、修理・開発・製造・組立・試験・保守その他の技術的サービスに関連する技術的支援であって、指導・助言・訓練・実務知識または技術の伝達、あるいはコンサルティングサービスの形態をとるものをいう。

■ 「通過」(transit)

「通過」とは、EU関税領域外を最終仕向地とする非EU軍民両用品目が、EU関税領域に入域し通過する輸送をいう。

■ 「個別輸出許可」(individual export authorisation)

「個別輸出許可」とは、特定の輸出者に対し、第三国の特定の最終需要者または荷受人向けに、一つまたは複数の軍民両用品目について付与される許可をいう。

■ 「包括輸出許可」(global export authorisation)

「包括輸出許可」とは、特定の輸出者に対し、一または複数の特定の最終需要者向けおよび/または一または複数の特定第三国向けの輸出に有効な、特定の種類または区分の軍民両用品目について付与される許可をいう。

■ 「EU一般輸出許可」(Union general export authorisation)

「EU一般輸出許可」とは、附属書IIセクションAからセクションHに定める条件および要件を遵守するすべての輸出者が利用可能な、特定の仕向国への輸出に係る輸出許可をいう。

■ 「国内一般輸出許可」(national general export authorisation)

「国内一般輸出許可」とは、第12条第9項および附属書IIIセクションCの規定に従って国内法で定義される輸出許可をいう。

■ 「非EUの軍民両用品目」(non-Union dual-use items)

「非EUの軍民両用品目」とは、EU関税法典第5条第24項の意味における非EU物品の地位を有する品目をいう。

■ 「サイバー監視品目」(cyber-surveillance items)

「サイバー監視品目」とは、情報通信システムからのデータの監視・抽出・収集・分析により自然人を秘密裏に監視することを可能にするよう特別に設計された軍民両用品目をいう。

■ 「内部コンプライアンス・プログラム/ICP」(internal compliance programme / ICP)

「内部コンプライアンス・プログラム」または「ICP」とは、本規則の規定・目的およびその下で実施される許可の条件への遵守を促進するため、輸出者が採用する継続的かつ実効的・適切・比例的な方針および手続をいう。これにはとりわけ、最終需要者および最終用途への物品の輸出に関連するリスクを評価するデュー・ディリジェンス措置が含まれる。

目次

第1章 主題および定義

第1条 
第2条 

第2章 適用範囲

第3条 
第4条 
第5条 
第6条
第7条 
第8条 
第9条 
第10条 
第11条 

第3章 輸出許可、仲介サービス許可および技術支援許可

第12条 
第13条 
第14条
第15条 
第16条 

第4章 軍民両用品目一覧および仕向地一覧の改正

第17条 
第18条 
第19条 
第20条 

第5章 税関手続

第21条 
第22条 

第6章 行政協力、実施および執行

第23条 
第24条 
第25条 

第7章 透明性、情報提供、監視、評価

第26条 

第8章 管理措置

第27条 
第28条 

第9章 第三国との協力

第29条 

第10章 最終規定

第30条 
第31条 
第32条 

附属書I 第3条に規定する軍民両用品目一覧

附属書II EU一般輸出許可

附属書III 許可申請書式の様式

附属書IV 第11条第1項に規定する軍民両用品目一覧

附属書V 廃止規則およびその累次改正一覧

附属書VI 廃止規則(EC)No 428/2009との条項対照表

基礎情報

法令(現地語)

Regulation (EU) 2021/821 of the European Parliament and of the Council of 20 May 2021 setting up a Union regime for the control of exports, brokering, technical assistance, transit and transfer of dual-use items

法令(日本語)

軍民両用品目の輸出、仲介、技術支援、通過および移転の管理に関するEU体制を設立する2021年5月20日付け欧州議会および理事会規則(EU)No 2021/821

公布日

2021年06月11日

所管当局

欧州委員会 貿易・経済安全保障総局

作成者

株式会社先読

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