2026年08月25日、米国環境保護庁(EPA)は、除草剤グリホサートの登録見直し(registration review)において更新するヒト健康リスク評価の基礎とするため、新たに実施した公開文献の系統的検索の結果を公表し、意見募集を開始しました。連邦官報91 FR 54870に掲載されたもので、ドケット番号はEPA-HQ-OPP-2009-0361です。同庁は、検索戦略、包含・除外の基準、スクリーニングおよび評価の手順を示したうえで、今回の検索に収録されていない関連する査読済み論文の情報提供を関係者に求めています。意見提出期限は2026年09月24日です。更新後のヒト健康リスク評価は2026年後期に完成する予定で、その段階で改めて意見募集が行われます。今回の告示はリスク評価そのものではなく、評価の土台となる文献群を確定するための手続である点に留意が必要です。グリホサートを有効成分とする農薬の登録者、製剤事業者、これを使用する農業関連事業者にとっては、今後の評価に反映される文献の範囲を確認し、必要な指摘を行う機会となります。
告示の位置づけ
登録見直しは、連邦殺虫剤・殺菌剤・殺鼠剤法(FIFRA、7 U.S.C. 136 et seq.)に基づき、登録農薬を15年ごとに再評価する制度です。関係規定は40 CFR parts 2、158および703で、今回の手続は大統領令14303号(2025年05月23日)の政策基準にも従うものとされています。
EPAは、登録見直しにおいて、登録者が提出するガイドライン試験に加え、非ガイドライン試験および公開文献の査読済み論文も評価の対象としています。今回公表されたのは、そのうちヒト健康に関連する新たな系統的公開文献検索の結果です。
提出が求められている情報
EPAは、検索リストに含まれていない関連論文の提出を求めており、次の条件を示しています。
- 論文は「オープンアクセス」であり、かつ裏付けデータにアクセスできることが必須とされています。この条件を満たさない文献は提出の対象になりません。
- 完全な引用情報(著者、発表年、ジャーナル名、論文題目)を付すこと。
- 提出はRegulations.gov(ドケットID:EPA-HQ-OPP-2009-0361)を通じて行うこと。
今後の手続
- 2026年09月24日:今回の文献検索結果に対する意見提出期限。
- 2026年後期:更新されたヒト健康リスク評価を完成させる予定。完成後、改めて公開意見募集の対象となります。
事業者にとっての意味
グリホサートは世界的に使用量の多い除草剤であり、その登録見直しの帰趨は、製造・輸入事業者だけでなく、製剤を使用する農業事業者やサプライチェーン上の食品関連事業者にも影響します。評価の基礎となる文献群は、この段階で確定します。自社が把握している査読済み研究のうち検索結果に含まれていないものがある場合は、期限内に指摘しておくことが実務上の対応となります。
なお、今回の告示は特定の作物や用途への規制を課すものではなく、リスク評価の前提となる科学的文献の確認手続にとどまります。原典には、対象用途の限定や新たな義務に関する記載はありません。
参考情報
米国環境保護庁(EPA)/連邦官報「Glyphosate Open Literature Search To Inform Human Health Risk Assessment; Notice of Availability」(91 FR 54870、2026年08月25日)
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