2026.09.17
米国|CBP、輸入時の供給網開示の強化に向け規程案策定前通知を公表
2026年9月2日、米国の国土安全保障省税関・国境取締局(CBP)は、輸入時における供給網の可視化を目的として開示要件を強化する構想を示した規程案策定前通知(Advance Notice of Proposed Rulemaking、ANPRM)「Heightened Import Disclosures for Supply Chain Visibility」を連邦官報に掲載しました(91 FR 56408、文書番号2026-17926、Docket No. USCBP-2026-1058、RIN 1685-AA47)。本通知は、2026年6月3日に署名された大統領令14411「Strengthening Customs Enforcement」を実施するものであり、連邦規則集(CFR)第19編第141部・第142部・第143部・第163部の改正を想定しています。意見の提出期限は2026年12月1日です。現段階では規則そのものではなく、規則案を作成するための情報収集の段階にあたります。
本通知の位置づけ
ANPRMは、規程案策定通知(NPRM)に先立って行われる情報収集の手続です。CBPは、「本ANPRMに対して寄せられた意見は、規則を提案するNPRMの起草に用いられる可能性がある」と述べています。本通知の段階では新たな義務は課されていませんが、示された論点は将来の規則案の骨格となり得ます。
検討されている開示の強化
CBPが意見を求めている主な検討事項は次のとおりです。
- 外国の輸出書類の提出:輸入者(importer of record)に対し、外国の輸出者が輸出国の税関当局に提出した書類の提出を求める案。対象として、申告価格・分類・数量を示す輸出申告書、商業インボイス、パッキングリスト、原産地証明書、規制対象貨物の輸出許可証、船荷証券(B/L)・航空運送状(AWB)等の運送書類が挙げられています。対象範囲、提出の時期、保存期間、照合手続について18の質問が提示されています
- 製造者識別コード(MID)と当事者の特定:現行のMIDは「限られた識別情報しか提供せず」「常に一貫した一意の番号であるとは限らない」として、コード化された識別子ではなく、製造者・荷送人・輸出者の実際の企業名、住所、事業者識別情報を収集する案
- グローバル事業者識別子(GBI):2022年に開始した任意参加の試行を拡大し、D-U-N-S番号、GLN、LEI、Altana IDなどの一意の識別子の提出を求める案
- 供給網トレーシング技術:AIを活用したトレーサビリティ・ツールを含む技術的手段の利用を義務づけまたは奨励する案。あわせて、CTPAT(対テロ・税関産業界提携プログラム)について同技術の利用を要件化または奨励する方向での拡充も検討されています
適用範囲と実施時期
基本的な提案は対象を品目で限定していません。ただしCBPは、「重要な医療製品及びその主要な投入物」、特定の品目区分、特定の原産国、輸送手段について適用除外を設けるべきかを問うています。実施時期は定められておらず、段階的導入の是非や、小規模事業者・外国の輸入者・CTPAT参加者等に異なる実施時期を適用すべきかについても意見が求められています。本ANPRMの段階では罰則は規定されていません。
事業者に求められる対応
- 誰が:米国向けに輸入を行う輸入者、通関業者、CTPAT参加者、米国へ輸出する供給者
- いつまでに:2026年12月1日
- 何を:外国の輸出書類の入手可否、当事者識別情報の整備状況、供給網トレーシングの実施可能性についての実務上の制約
- どうすればよいか:上記の論点について意見を提出する
参考情報
米国連邦官報「Heightened Import Disclosures for Supply Chain Visibility」(U.S. Customs and Border Protection、91 FR 56408、2026年9月2日)
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