2026年08月26日、米国税関国境警備局(CBP)は、米国を出発する列車により運送される鉄道貨物について、輸出マニフェスト情報を自動商業環境(ACE)を通じて電子的に提出することを義務付ける最終規程を公布しました。カナダおよびメキシコ向けの出発が対象です。発効日は2026年10月26日(公布から60日後)、執行開始日は2027年10月26日(公布から1年後)とされ、約1年の準備期間が設けられています。
提出義務を負うのは原則として往路運送業者(outbound carrier)ですが、他の適格当事者が提出することも認められます。初期申告は列車の出発の24時間前まで、輸送データおよび貨物データは出発の2時間前までに送信する必要があります。あわせてボンド(保証)の保有が求められ、違反には1件あたり5,000ドルの流動的損害賠償が科されます。鉄道運送業者のほか、輸出者、通関業者、フォワーダー等が影響を受けます。
対象と義務を負う者
- 対象:米国から出発するあらゆる列車により運送される鉄道貨物(カナダおよびメキシコ向け)。
- 提出責任:19 CFR 123.93(c)により、往路運送業者が輸出マニフェストの輸送データおよび空コンテナデータの送信責任を負います。他の適格当事者が初期申告または貨物データを送信しない場合、往路運送業者が両方を送信する必要があります。
- 適格当事者:USPPI(米国主要輸出当事者)、FPPI(外国主要輸出当事者)、認定代理人、通関業者、ABI申告者、NVOCC、フレイトフォワーダー。
提出のタイミングとデータ
初期申告(出発の24時間前まで)
次の7要素の提出が求められます。
- 船荷証券番号
- 貨物の数量・数
- 貨物の総重量(ポンドまたはキログラム)
- 正確な貨物説明
- 荷送人の完全な名称・住所
- 荷受人の完全な名称・住所
- EIN/IRN/CBP割当番号
あわせて、条件付き要素としてAESのITN(内部取引番号)またはFTRの適用除外・除外コードが必要です。
輸送データ・貨物データ(出発の2時間前まで)
- 輸送データ:出発地の港、出発日、運送業者割当番号、SCAC、コンテナ・鉄道車両番号等(輸送モードや機器タイプコードは任意)。
- 貨物データ:荷送人・荷受人情報、積地・揚地、船荷証券のタイプおよび番号、貨物説明、重量、数量、通知当事者情報等の18要素。
なお「出発」とは、米国の輸出港からの列車の出発を指します。
ボンドと制裁金
- 送信者は、基本輸入・入国ボンド、基本保管ボンド、または国際運送業者ボンドのいずれかを保有する必要があります。CBPは国際運送業者ボンドを優先し、次いで保管ボンド、輸入・入国ボンドを担保として使用します。
- ボンド取得のため、300日間の猶予が経過措置として設けられました。
- ボンド条件違反時の流動的損害賠償は1件の違反につき5,000ドルです。国際運送業者ボンドの場合は1回の出発につき最大100,000ドルの上限が設けられていますが、基本輸入・入国ボンドおよび基本保管ボンドには上限がありません。
改正されるCFR条文
- 19 CFR 103.31a(情報の入手可能性)
- 19 CFR 113.62(k)(3)、113.63(g)、113.64(d)(ボンド条件)
- 19 CFR 123.0(適用範囲)、123.93(新設)
- 19 CFR 192.14(b)(1)(iv)(EEI要件)
事業者が取るべき対応
- ACEを通じた電子マニフェスト提出に対応するシステムの構築
- 要件を満たすボンドの取得または既存ボンドの更新
- CBPからのDNL(Do Not Load)・ホールド命令に応答するための24時間365日の対応体制の確保
- 必須・条件付き・任意の各データ要素の整理と、データ変更を把握した際の速やかな更新
CBPはコンプライアンスの確保を主目的として掲げており、執行開始までの段階的な移行と技術支援の提供を予定しています。
参考情報
Federal Register(連邦官報)「Automated Commercial Environment (ACE) Electronic Export Manifest for Rail Cargo」(文書番号2026-17390)
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