2026年9月15日、欧州委員会は「公正な労働移動パッケージ(Fair Labour Mobility package)」を採択し、5本の法案を提案しました。欧州社会保障パス(ESSPASS)規則案、資格の携行性に関する「スキル・ポータビリティ法」案、欧州労働機関(ELA)を強化する規則案、職業資格指令の改正案、及び第三国国民の資格に関する指令案で構成されます。EU域内で人を雇用し、又は他の加盟国へ労働者を派遣する事業者にとっては、社会保障関係書類の電子化と、規制職種の資格承認に要する期間の短縮が主な変更点となります。規制職種の承認に要する期間は現行の3か月から5週間へ、第三国で取得した資格の承認手続は平均14か月から4か月へ短縮されることが見込まれています。
提案された5本の法案
- 欧州社会保障パス(ESSPASS)規則案 ― 社会保障関係書類のデジタルでの申請と受領を可能とするもの
- スキル・ポータビリティ法案 ― デジタルで比較可能な資格に関する規則案
- 欧州労働機関(ELA)を強化する規則案 ― 執行能力の強化を図るもの
- 職業資格指令の改正指令案 ― 規制職種の資格承認ルールを刷新するもの
- 第三国国民の資格に関する指令案 ― EU域外で取得した職業資格の取扱いの基準を定めるもの
事業者に関係する主な変更
- 社会保障関係書類の電子化:欧州健康保険カード(EHIC)や、派遣労働者に用いられる携行書類A1を含む書類を、EUデジタルIDウォレットでデジタルに保管・提示できるようになります
- 規制職種の資格承認の迅速化:医師、看護師、技術者、教員などの規制職種について、承認に要する期間が3か月から5週間に短縮されます
- 第三国の資格の承認:EU域外で取得した資格の承認手続が、平均14か月から4か月に短縮されます
- 理学療法士の自動承認:欧州委員会は、EU域内で最も移動の多い職種の一つとされる理学療法士について、初めての自動承認の枠組みを採択しました
適用までの予定
- 携行書類A1:ESSPASS規則の発効から1年後
- 欧州健康保険カード(EHIC)その他の書類:3年以内
- デジタルの資格証明及び規制職種の承認の簡素化:3年以内
- 欧州労働機関(ELA)の改善:2028年から2030年
本パッケージは提案の段階であり、今後、欧州議会及びEU理事会での審議に付されます。
参考情報
欧州委員会 雇用・社会問題・共生総局(DG EMPL)「Commission proposes ambitious measures to strengthen fair labour mobility」
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