2026年9月14日、米国環境保護庁(EPA)は、固形廃棄物の評価試験方法集「SW-846」、廃棄物の試料採取、および毒性特性溶出手順(TCLP、方法1311)に関する情報提供要請(RFI)を連邦官報で公表しました(91 FR 58117、整理番号 EPA-HQ-OLEM-2026-7360)。SW-846は、資源保全回復法(RCRA)に基づく有害廃棄物の判定や処理基準の遵守確認、汚染サイトの評価に用いられる試験方法集です。EPAは、使用済み太陽光パネルや複数部材から成る電子機器といった不均質な廃棄物の試料採取の難しさ、TCLPの技術的な課題、代替となるLEAF法(方法1313〜1316)の活用可能性、陳腐化した方法の有無といった論点について、産業界等からの情報提供を求めています。提出期限は2026年11月13日です。
情報提供が求められる4つの論点
- 廃棄物の試料採取:不均質な材料の試料採取に伴う課題。EPAは具体例として「廃棄された太陽光パネル」および「複数部材から成る電子機器」を挙げています。廃棄物分析計画(waste analysis plan)の作成上の課題、現在参照されている指針類、EPAが指針に事例やケーススタディを加えるべきかどうかも論点とされています。
- TCLP(方法1311):毒性特性による有害廃棄物の判定(40 CFR 261.24)および埋立処分制限の遵守確認(40 CFR 268.48)に用いられる手順の課題。
- LEAF法(方法1313〜1316):無機成分の溶出評価の枠組みとして、代替手段となり得るかどうか。
- その他のSW-846収載方法:現行方法に欠けている点、および陳腐化への懸念。
EPAが認めるTCLPの限界
EPAは、これまでに指摘されてきたTCLPの課題として、次の点を挙げています。
- 強アルカリ性の一部の廃棄物について、汚染物質の溶出量を過小評価するおそれがあること
- 油分を含む廃棄物の取扱いに課題があること
- 処理済みの一部の廃棄物について、有機汚染物質の長期的な移動性を正確に予測できない場合があること
今後の取扱い
EPAは、本RFIで得た情報を「いかなる措置を講じるか(講じないことを含む)を判断するため」に用いるとしています。本RFIは規程案ではなく、現時点で試験方法の改訂が決まったものではありません。
事業者にとっての意味
TCLPの結果は、廃棄物が有害廃棄物に当たるかどうかの判定を左右し、処分先や処理コスト、輸送区分にそのまま影響します。使用済み太陽光パネル、リチウムイオン電池を含む電子機器、複合材を含む製品を排出する事業者にとっては、試験方法の見直しによって、従来は非有害と判定されていた廃棄物が有害廃棄物に区分される可能性があります。製品を米国市場に供給する事業者にとっても、使用後の廃棄段階の規制は回収・リサイクルの設計に関わります。意見提出の機会は2026年11月13日までであり、自社の廃棄物の性状に照らして試験方法上の課題を示す機会となります。
参考情報
米国環境保護庁(EPA)/連邦官報「Request for Information on Test Methods for Evaluating Solid Waste (SW-846), Waste Sampling and Toxicity Characteristic Leaching Procedure (TCLP) Testing」(91 FR 58117)
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