2026年9月15日、米国食品医薬品局(FDA)は、医薬品の候補の特定から初回ヒト臨床試験の開始までの期間を短縮することを目的とする「Expedited INDパイロット」について、申請の受付を開始しました。医薬品スポンサーと適格研究機関(Qualified Research Institution、QRI)が組(ペア)で申請し、最初のコホートとして8〜10組が選定されます。特徴は、治験申請(Investigational New Drug application、IND)の書類一式がそろうのを待たず、構成要素ごとに提出前の段階で順次審査を受けられる点にあります。申請期限は2026年10月30日です。FDAは、米国では初回ヒト臨床試験の完了までに最大2年を要することがある一方、同種の試験は中国やオーストラリアでは大幅に短い期間で完了していると述べています。
パイロットの仕組み
- 医薬品スポンサーと適格研究機関(QRI)が組となって、INDの作成とFDAの審査を並行して進める枠組みです。
- IND全体の提出を待たずに、治験申請前(pre-IND)の段階で構成要素ごとの順次審査(rolling review)を受けられます。
- これにより、提出後に臨床試験の実施が保留(clinical hold)となるリスクを低減することが狙いとされています。
- 医薬品評価研究センター(CDER)および生物学的製剤評価研究センター(CBER)が関与します。
参加の要件
- 申請は、医薬品スポンサーと参加を希望するQRIの組で行います。
- QRIは、INDの作成を支える「専門的かつ実質的な科学的知見」を有することを示す必要があります。
- 利益相反に関する要件が設けられており、詳細な適格性の基準はFDAのプログラム掲載ページで示されています。
期限と選定規模
- 申請期限:2026年10月30日
- 選定数:8〜10組(初回のコホート)
事業者にとっての意味
医薬品の開発に携わる事業者にとって、初回ヒト臨床試験の開始時期は開発全体の工程を左右します。本パイロットは、FDAとの事前のやり取りを構成要素ごとに前倒しできる仕組みであり、選定されれば非臨床から臨床への移行に要する期間を短縮できる可能性があります。
一方で、選定されるのは8〜10組に限られ、申請にあたっては適格な研究機関との連携体制を整える必要があります。申請期限は2026年10月30日であり、参加を検討する場合はQRIの選定と利益相反の確認を短期間で行う必要があります。あわせて、米国と中国・オーストラリアの臨床試験に要する期間をFDA自身が比較して言及している点は、今後の規制運用の方向性を示すものとして注目されます。
参考情報
米国食品医薬品局(FDA)「FDA Launches Expedited IND Pilot, Begins Accepting Applications」
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