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米国|カリフォルニア州、アフターマーケット排出関連部品の条件付き承認制度を創設するSB 1069が成立

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米国|カリフォルニア州、アフターマーケット排出関連部品の条件付き承認制度を創設するSB 1069が成立

2026年9月16日、米国カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は上院法案SB 1069(Senate Bill No. 1069、提案者:Grayson議員)に署名し、同日、州務長官に提出されました。2026年法律第244章(Chapter 244, Statutes of 2026)として成立したもので、州健康安全法(Health and Safety Code)に第43019.4条を新設し、大気汚染に関する規律を改めるものです。カリフォルニア州では、車両法(Vehicle Code)第27156条により、車両に装着が義務付けられた排出ガス低減装置の取外し・改造・変更が禁止されており、カリフォルニア州大気資源局(State Air Resources Board。以下「州委員会」)が発行する執行命令(executive order、以下「EO」)を得た部品のみが例外として認められています。今回の法律は、このEOの発行を待つ間に、一定の要件を満たす製造者が「条件付き承認(conditional approval)」を得て、当該部品を州内で販売・広告・取付けできるようにするものです。アフターマーケットの排出関連部品をカリフォルニア州市場に供給する製造者にとっては、上市までの時間を短縮し得る制度が新たに設けられたことを意味します。

背景

州議会は、法律の冒頭(SECTION 1)で次の認識を示しています。

  • アドオン部品および改造部品に関するカリフォルニア州のEO制度は、車両法第27156条の遵守を確保し、大気環境を保護するうえで重要な役割を果たしている
  • EOの手続は、責任ある製造者と州委員会との協働を可能にし、アフターマーケット技術がカリフォルニア州の厳格な排出要件を満たすことを確保しつつ、技術革新を促してきた
  • EOの手続を一貫して遵守してきた製造者は、州の大気環境基準を満たす製品の開発に相当の時間、資源および技術的専門性を投じている
  • EO制度は、車両の排出システムに対する違法な改変を防ぎ、アフターマーケット部品の排出への影響と適合性を評価する州委員会の長年の権限を維持するうえで不可欠である

そのうえで、立法の意図として、排出試験・エンジニアリング解析その他の書類により車両法第27156条への適合を示す完全な申請に裏付けられた部品について、州委員会が申請の審査を完了するまでの間、条件付きでの販売・広告・取付けの道を開くこと、および、適合の実績と透明な関与が認められる製造者に限って条件付き承認の手続を設けることが掲げられています。

なお、本法律は、適用される排出基準を変更するものではなく、追加情報や追加試験を求める州委員会の権限、申請を承認または却下する権限、必要な場合に是正措置・リコール・販売停止命令その他の救済を求める権限を制限するものではないことが明記されています。

条件付き承認を申請できる事業者

申請できるのは、州規則集第13編第2222条(e)に基づきEOの申請を行うアドオン部品または改造部品の製造者(またはその代理人)です。ただし、条件付き承認の請求ができるのは、次の要件をいずれも満たす場合に限られます。

  • 州委員会が当該申請者に対し、第2222条(e)に基づき10件以上のEOを発行していること
  • そのうち1件以上が、今回の申請の対象となる部品と同一の申請カテゴリー(免除手続の第III編(a)に定めるもの)に属するアドオン部品または改造部品について発行されたものであること

ここでいう「免除手続(exemption procedures)」とは、州委員会が2021年6月29日に採択し2023年3月23日に改正した「Procedures for Exemption of Add-On and Modified Part(s) for On-Road Vehicles/Engines」を指し、第2222条(e)により参照によって取り込まれています。

「完全な申請」の要件

条件付き承認の前提となる「完全な申請(complete application)」とは、第2222条(e)に基づくEOの申請であって、次のすべてを含むものをいいます。

  • 免除手続が求める情報
  • 適用されるすべての手数料
  • 免除手続に適合する排出試験機関(emissions test laboratory)による試験報告書。当該報告書には、少なくとも次が含まれていなければなりません
  • 完全な試験結果および裏付けとなる解析
  • すべての試験車両、エンジンファミリーおよび構成の特定
  • すべての試験手順、条件および手法の記述
  • 排出試験機関による検証および承認(validation and sign-off)
  • 当該部品が車両法第27156条の免除基準を満たすか否かについての明確な結論
  • 製品、その取付方法、および求める車両またはエンジンの適用範囲についての完全かつ正確な記述
  • 提出した試験データに基づき当該部品が車両法第27156条の免除基準を満たす旨の、州委員会に対する証明(certification)

「排出試験機関」とは、第2222条(e)に基づく申請を裏付ける試験またはエンジニアリング上の正当化を行うために必要な設備を有すると州委員会が判断した試験機関をいいます。

州委員会による審査と「みなし承認」

州委員会は、申請が完全な申請であるか、および申請者が前記の実績要件を満たすかを判断し、その結果を書面で申請者に通知しなければなりません。

  • 要件を満たすと判断した場合、州委員会は条件付き承認を付与します。効力発生日は、州委員会が申請者に通知した日です
  • 要件を満たさないと判断した場合、州委員会は申請が不完全である理由を詳述した回答を申請者に提出し、要件充足に向けて申請者と協働しなければなりません
  • 州委員会が請求の受領から30営業日以内に判断を行わない場合、その請求は条件付きで承認されたものとみなされます。この場合の効力発生日は、申請者が当該部品を販売する意思を書面で州委員会に通知した日です

ただし、州委員会が同一の30営業日の期間中に50件を超える請求を受領した場合、州委員会は、当該期間中に受領した50件ごとに15営業日ずつ上記の期間を延長することができます。延長する場合、州委員会は、この閾値に達した後5営業日以内に、影響を受ける各申請者に対して延長および改定後の期限を書面で通知しなければなりません。1件の申請につき延長は1回限りです。

条件付き承認の効果と有効期間

  • 効力発生日以降、申請に記載されたアドオン部品または改造部品は、州内で販売し、販売の申出をし、広告し、または取り付けることができます。条件付き承認はEOと同等のものとして扱われます
  • 条件付き承認の効力は、追加情報、説明、補足書類、補足試験その他EOの付与に必要な資料を州委員会が求めたことによって影響を受けません
  • 条件付き承認は、その効力発生日から2年で失効します。ただし、執行役員(executive officer)が延長した場合を除き、またEOが発行された場合はその時点で終了します(いずれか早い方)
  • 条件付き承認に基づき販売・販売の申出・広告・取付けがされた部品は、最終判断がされていないことのみを理由として車両法第27156条の違反とはみなされません

記録の保存、停止・取消し

製造者は、条件付き承認に基づき販売したすべての部品について詳細な記録を保存し、州委員会から求めがあった場合には30日以内にこれを提出しなければなりません。

州委員会は、次のいずれかに該当する場合、条件付き承認を停止し、または取り消すことができます。

  • 申請者が上記の記録保存・提出の義務を履行しないこと
  • 提出時点において申請に重要な点で不正確または誤解を招く情報が含まれていたと州委員会が判断すること

リコール等の是正措置と制裁

条件付き承認が撤回、取消しまたは失効した場合、執行役員は、必要かつ適切と判断する限度で、製造者に対し、条件付き承認に基づき州内で販売・販売の申出・広告・取付けがされた部品について、リコール、是正措置、販売停止命令その他の救済の実施を求めることができます。

これらのリコールおよび救済に要する費用は、すべて製造者の負担となります。州委員会は、製造者に対してリコールまたは是正措置計画の提出および実施を求めることができ、求められたリコールまたは是正措置計画に従わない製造者は、健康安全法第43008.6条に基づく民事制裁金の対象となり得ます。

当局側の手続改定

州委員会は、2028年7月1日までに、本条の要件を実施するために必要な範囲で、免除手続および関連する様式、ガイダンス文書または規則を改定しなければならないとされています。

誰が、いつまでに、何をすればよいか

  • 誰が:カリフォルニア州でアドオン部品・改造部品を販売するアフターマーケット部品の製造者(またはその代理人)。日本の部品メーカーが米国子会社や代理人を通じて申請している場合も含まれます
  • 前提:過去に第2222条(e)に基づき10件以上のEOを取得し、うち1件以上が同一の申請カテゴリーであること。この実績がない事業者は条件付き承認を利用できず、従来どおりEOの発行を待つ必要があります
  • 何を:手数料の納付、排出試験機関による試験報告書、製品・取付方法・適用範囲の記述、第27156条適合の証明を含む「完全な申請」を提出したうえで、条件付き承認を請求します
  • その後:条件付き承認の取得後は、販売した部品の詳細な記録を保存し、求めがあれば30日以内に提出します。条件付き承認は2年で失効するため、その間にEOの取得を完了させる必要があります

制度を利用する場合、EO取得前の段階から販売が可能になる一方で、条件付き承認が取り消され、または失効した場合にはリコールや販売停止命令の対象となり、その費用は製造者が負担します。上市の前倒しと、事後的な是正リスクの両方を織り込んだ社内判断が必要になります。

参考情報

California Legislative Information「SB-1069 Motor vehicle pollution control devices: aftermarket parts: approval process.」

https://leginfo.legislature.ca.gov/faces/billNavClient.xhtml?bill_id=202520260SB1069

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