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米国|カリフォルニア州、中型電池をEPR対象に加えるSB 501が知事署名で成立(続報)

2026年9月20日、米国カリフォルニア州のニューサム知事は上院法案SB 501(Senate Bill No. 501、提案者:Allen議員)に署名し、同日、州務長官に提出されました。2026年法律第414章(Chapter 414, Statutes of 2026)として成立したもので、州公共資源法(Public Resources Code)の第42420.1条、第42420.3条、第42420.4条、第42422条、第42422.1条、第42422.3条、第42423条、第42424条、第42424.1条、第42425.1条および第42425.3条を改正し、第42421.3条を新設するものです。対象となるのは、2022年責任ある電池リサイクル法(Responsible Battery Recycling Act of 2022)に基づく拡大生産者責任(EPR)の枠組みです。今回の改正では、これまで対象外とされていた重量の大きい一次電池・二次電池が対象に取り込まれ、対象電池が「小型(small format)」と「中型(medium format)」の2区分に整理されるとともに、リサイクル効率率の最低基準が新設されます。電池そのものを供給する事業者に加え、電池を同梱する製品の供給者、小売業者、輸入者、流通業者にも影響が及びます。

制度の背景

2022年責任ある電池リサイクル法は、州資源リサイクル・回収局(Department of Resources Recycling and Recovery。以下「当局」)が有害物質規制局(Department of Toxic Substances Control。以下「DTSC」)とともに運営するスチュワードシップ制度を定めています。対象電池(covered battery)の回収、輸送、リサイクルおよび安全かつ適正な管理を、経済的に効率的かつ実行可能な方法で行うことを目的とするものです。「対象電池」は、電気エネルギーを受け入れ、蓄え、供給するよう設計された1個以上の電気的に接続された電気化学セルからなる装置と定義されています。

従来は、重量2キログラムを超える一次電池、および重量5キログラムを超え定格300ワット時を超える二次電池が対象から除外されていました。今回の改正は、この重量・容量による除外を撤廃し、対象範囲を中型の電池まで広げるものです。

対象電池の再定義

小型電池と中型電池

すべての対象電池が、次のいずれかに区分されます。

  • 小型電池(small format battery):重量11ポンド以下かつ定格300ワット時以下の二次電池、および重量4.4ポンド以下の一次電池
  • 中型電池(medium format battery):重量11ポンド超または定格300ワット時超(もしくはその双方)であって、重量25ポンド以下かつ定格2,000ワット時以下の二次電池、および重量4.4ポンド以上25ポンド以下の一次電池(アルカリ、炭素亜鉛、リチウム金属電池を含む)

「容易に取り外せる電池」の明確化

対象電池には、製品から一般的な家庭用工具のみで容易に取り外せるよう設計された電池が含まれます。今回の改正では、製造者が消費者に提供する鍵、アプリケーションその他のロック装置について、それが盗難や消費者以外の者による改ざんの防止のみを目的とすると製造者が保証し、かつ消費者が電池を取り外し、交換し、またはリサイクルする能力を妨げないものである場合、当該ロック装置の存在は「容易に取り外せる」との判断を妨げないことが明記されました。

対象から除外されるもの

  • 鉛蓄電池
  • 自動車に搭載された電池。ただし、電動スクーター、電動スケートボード、電動ホバーボード、および公道上で1人または物品のみを移動させることを目的とする装置に搭載された電池は除外されません
  • 燃料電池発電設備
  • 一定の医療機器(米国法典第21編第360c条に定めるクラスI機器であって所定の要件に当たるもの、およびクラスII・クラスIII機器)
  • リコールされた電池

新設されるリサイクル効率率

新設される第42421.3条は、プログラム運営者(program operator)に対し、次の最低リサイクル効率率の達成を毎年示すことを求めます。

  • 二次電池:60%
  • 一次電池・非充電式電池:70%

効率率の算定には、対象電池から回収された材料の重量を用いるものとされています。

スチュワードシップ計画

プログラム運営者は、当局が第42420.2条に基づき採択する規則の効力発生日から12か月以内に、完全なスチュワードシップ計画を策定し当局に提出しなければなりません。計画は、小型電池のみ、中型電池のみ、または両方のいずれを対象とするかを明示する必要があり、対象としない形式の電池が誤って回収された場合も、安全かつ適正に管理しなければなりません。

計画に盛り込むべき事項には、次が含まれます。

  • 対象とする電池の形式、参加する生産者の名称、ブランド、形式および種類
  • 第42422.4条に基づく諮問機関との協議の過程
  • 最低リサイクル効率率を測定し、達成または上回るための方法論
  • 当局の環境正義・部族関係・教育普及室との協議(従来のカリフォルニア州環境保護庁の環境正義タスクフォースに代わるもの)、およびカリフォルニア州先住民部族との調整
  • 資金の適正な管理を確保するための十分な財務責任および財務統制を備えていることの証明
  • 生産者間で費用を公平に配分する資金調達方法、および今後3暦年分のプログラム予算
  • 回収拠点に対し、無償で容器、研修、表示、安全指針および教育資材(損傷・欠陥のある電池の取扱手順、火災の予防・検知・対応の指針を含む)を提供する方法

年次監査については、米国財務会計基準審議会(FASB)の会計基準コディフィケーションに従って作成することが求められます。

回収拠点の最低数

計画では、州内の各郡において、消費者が引渡時に無償で利用できる利便性の高い回収の仕組みを、次の基準を満たす形で提供する方法を記載しなければなりません。

小型電池

  • 原則:1郡あたり10か所以上、または人口15,000人あたり1か所のいずれか多い方
  • 人口18,000人以下の郡:3か所以上
  • 人口18,001人〜50,000人の郡:4か所以上
  • 人口50,001人〜100,000人の郡:8か所以上

中型電池

  • 人口50,000人以上の郡:1郡あたり5か所以上、または人口30,000人あたり1か所のいずれか多い方
  • 人口18,001人〜50,000人の郡:2か所以上
  • 人口18,000人以下の郡:1か所以上

回収拠点は郡内に分散して設置し、広範な利用と利便性を確保しなければなりません。なお、損傷し、欠陥があり、またはリコールされた電池の受入れは、これらの回収拠点に義務付けられません。回収拠点は小型電池用または中型電池用として区分され、双方の要件を満たす場合は兼ねることができます。

小売業者の義務

州内に5か所以上の店舗を有する小売業者は、そのすべての店舗を小型電池の常設回収拠点としなければならず、参加するスチュワードシップ制度の規則および条件を遵守しなければなりません。ただし、中型電池については、上記の中型電池用回収拠点に該当しない限り、回収の義務は課されません。

監督、記録および制裁

  • DTSCおよび一定の地方の職員・機関は、本法の要件の結果として有害廃棄物が保管、取扱い、処理、処分され、または資源回収のために処理されている回収拠点、施設その他の場所に立ち入り、検査することができます
  • 当局は、法の遵守を確保するため、生産者、プログラム運営者、スチュワードシップ団体、製造者、流通業者、小売業者、輸入者、リサイクル業者および回収拠点を検査し、調査することができます
  • 記録の保存・提供期間が3年から5年に延長されます。当局に提出する報告および記録は、偽証罪の制裁の下で提出しなければなりません
  • 当局は、本章に違反する生産者、プログラム運営者、スチュワードシップ団体、製造者、流通業者、小売業者、輸入者、リサイクル業者または回収拠点に対し、1日あたり10,000ドルを上限とする行政上の民事制裁金を科すことができます。違反が故意、認識あるもの、または無謀なものである場合の上限は1日あたり50,000ドルです
  • 徴収された制裁金は、対象電池リサイクル基金内に新設される対象電池リサイクル制裁金勘定に繰り入れられます

また、当局は2032年1月1日から5年ごとに、プログラム運営者との協議を経て、規則により一定の事項を見直すことができるとされています。

誰が、いつまでに、何をすればよいか

  • 生産者(producer):自社ブランドの電池を製造し、そのブランドを所有または独占的に使用許諾を受けている者が原則として該当します。州内に該当者がいない場合は、ブランドの所有者、独占的使用許諾者、さらにいない場合は販売者・輸入者・流通業者が生産者とみなされます。日本の製造者が自社ブランドの電池または電池同梱製品をカリフォルニア州に出荷している場合、生産者に該当する可能性があります
  • いつまでに:当局が第42420.2条に基づき採択する規則の効力発生日から12か月以内に、単独でまたはスチュワードシップ団体を通じて、完全なスチュワードシップ計画を提出します
  • 何を:対象電池の該当性(小型か中型か、除外に当たるか)の棚卸し、参加するスチュワードシップ団体の選定または個別対応の決定、回収拠点網と資金拠出の確保、リサイクル効率率の測定方法の整備、5年間の記録保存体制の構築
  • 小売業者:州内5か所以上の店舗を有する場合、全店舗を小型電池の常設回収拠点とする準備(容器の設置、従業員の研修、表示、損傷・欠陥電池および火災への対応手順の整備)

今回の改正により、電動スクーターや電動ホバーボードなどの小型モビリティに搭載された電池が明示的に対象に含まれ、また従来は重量・容量により除外されていた電池が中型電池として取り込まれます。該当する製品を米国市場に供給している事業者は、まず自社製品が対象電池に当たるかどうかの確認から着手する必要があります。

参考情報

California Legislative Information「SB-501 Responsible Battery Recycling Act of 2022: covered batteries.」

https://leginfo.legislature.ca.gov/faces/billNavClient.xhtml?bill_id=202520260SB501

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