2026年9月25日、米国環境保護庁(EPA)は、州の運転許可制度および連邦の運転許可制度における「適用要件(applicable requirements)」の範囲を明確化する最終規程を連邦官報に掲載しました(文書番号2026-19671、整理番号EPA-HQ-OAR-2023-0401)。改正の対象は40 CFR第70部および第71部であり、2026年10月26日に発効します。本規程は、大気浄化法(CAA)タイトルVの運転許可に取り込むべき要件についてEPAが従来から採ってきた解釈を明文化するものです。EPAは「タイトルVは寄せ集め(catch-all)であって万能薬(cure-all)ではない」と述べ、同制度は他の大気浄化法プログラムに基づく既存の要件を1つの許可に集約するものであり、新たな排出規制を創設するものではないとの立場を示しています。
明確化された3つの論点
適用要件の定義
タイトルV上の「適用要件」に該当するのは、排出ユニットに直接適用される大気浄化法に基づく要件に限られることが明確化されました。他の連邦法に基づく要件、州法独自の規定、および制度運営上・手続上の規定は該当しません。
新規発生源審査(NSR)との関係
EPAは、意見公募および司法審査の機会を伴う承認済みの手続を経て発給されたNSR建設前許可について、タイトルVの監督権限を用いてその判断を再審査しないこととしました。当該NSRの判断が適用要件を確定させ、許可当局はそれを実質的な再評価なしにタイトルV許可へ取り込むことになります。
一般義務条項
事故的放出の防止に関する大気浄化法第112条(r)(1)の要件は「適用要件」に該当せず、タイトルVを通じて実施されるものではないことが明確化されました。
影響が及ぶ範囲
- タイトルV制度を運用する州・地方・部族の大気汚染防止当局
- 主要固定発生源の所有者および運転者
- タイトルVの許可手続に参加する公衆
事業者への実務上の意味
許可当局は、既存のNSR許可その他すでに確定している要件を、再評価を経ずにタイトルV許可へ取り込むこととなります。これにより、許可の更新・変更の場面でNSR許可の内容が改めて争点化される余地が狭まる一方、許可に取り込まれる要件の範囲が大気浄化法に基づくものに限定されるため、州法独自の要件がタイトルV許可を通じて連邦法上の執行対象となる場面も限定されます。主要固定発生源を保有する事業者は、発効日である2026年10月26日以降の許可申請・更新において、自社の許可に取り込まれる要件の範囲がどのように整理されるかを確認しておくことが有用です。
参考情報
連邦官報(Federal Register)「Clarifying the Scope of ‘Applicable Requirements’ Under State Operating Permit Programs and the Federal Operating Permit Program」(2026年9月25日、最終規程)
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